この記事では、商標区分の第1類について解説します。区分一覧について知りたい場合、こちらの記事もご覧ください。
<商標の区分とは ~45種類を全部解説します>
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第1類 – 化学品など
第1類は、工業用の化学品、 科学用の化学品、農業用の化学品などがあてはまります。たとえば、たい肥、保存用に使う塩化ナトリウム、消火剤、加工前のプラスチックなどです。ただし、医学に用いられる化学品、天然樹脂、除草剤などは別の区分になります。
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化学品
この商品には、一般に、無機工業薬品、有機工業薬品、「界面活性斉I」」と呼ばれる商品及び化学的製品を用途的にとらえた「化学剤」の大部分が含まれます。
・無機酸類ないし空気
「無機酸類」ないし「空気」には無機の化学的基礎製品であって、工業原料又は実験用として取引されるもの及び未だ用途が限定されないで取引されるものが含まれます。したがって、同物質であっても、他の用途に限定された取引の段階にあるものは含まれません。いかなる用途として取引されるかは、商標権者の業種、商品の包装等から判断されることになります。例えば、「硫酸アンモニウム」が、工業原料として取引される場合は「化学品」中の「硫酸塩」の概念に含まれますが、肥料として取引される場合はここには含まれず、本類「肥料」に属します。しかし、未だ何に使用されるかわからない取引段階にあるものは、たとえ後にその大部分が他の用途に使用されるものであっても上記「硫酸塩」の概念に属します。以下、用途が限定されたものとして取引される場合の取扱いを例を挙げて説明します。
(1)アルカリ類
「消石灰」は、肥料として取引されるものは、本類「肥料」に属します。「水酸化アルミニウム」は、顔料(アルミナ白)として取引されるものは、第2類「顔料」に属します。
(2)無機塩類
①ハロゲン化物及びハロゲン酸塩
「塩化アンモニウム」や「塩化カリ」は肥料として取引されるものは、本類「肥料」中の「化学肥料」に属します。「工業塩」は、工業原料として使用される塩化ナトリウムの意味であり、食用として使用される塩化ナトリウムは、第30類「調味料」に属します。「さらし粉」は、「漂白剤」として取引されるものはこの概念には属さず、その用途により、洗濯用のものは第3類に、洗濯用以外のものは本類「化学品」中の「化学剤」にそれぞれ属します。また、「消毒剤」として取引されるものは、第5類「薬剤」に属します。しかし、化学会社がドラム缶に入れて売る場合のように、未だ何の用途に用いられるかわからない商品は、この概念に属します。
②硫酸塩
「硫酸アンモニウム」や「硫酸カリ」は、肥料として取引されるものは、本類「肥料」中の「化学肥料」に属します。「チオ硫酸ソーダ」は、写真定着液として取引されるものは本類「写真材料」に、「殺菌剤」として使用されるものは、第5類「薬剤」に属します。しかし、化学会社で未だ何の用途か限定せずに売られるものは、この概念に属します。「硫酸バリウム」は顔料として取引されるものは、第2類「顔料」に属します。
③硝酸塩
「硝酸アンモニウム」は、肥料として取引されるものは、本類「肥料」に属します。「硝酸銀」は、「写真感光剤」として取引されるものは、本類「写真材料」に属します。
④炭酸塩
「重炭酸ソーダ」は、「ベーキングパウダー」として取引されるものは、第30類に属します。「炭酸カルシウム」は、顔料として取引されるものは、第2類「顔料」に属します。
(3)酸化物
①非金属酸化物
「過酸化水素」は、洗濯用の「漂白剤」として取引されるものは第3類に、医薬品として取引されるものは、第5類「薬剤」に属します。
②金属酸化物
「酸化チタン」は、顔料として取引される「チタン白」は、第2類「顔料」に属します。
・芳香族ないし有機金属化合物
「芳香族」ないし「有機金属化合物」には、工業原料又は実験用として使用される有機の化学的基礎製品が該当します。「無機酸類」ないし「空気」に属する商品と同様に、同物質であっても他の用途に限定された取引の段階にあるものは含まれませんし、未だ用途が限定されていない取引段階にある場合は、それが後に大部分が他の用途に使用されようと、現段階ではこれらの概念に属します。
・界面活性剤
界面活性剤とは、水又は油に溶けて界面エネルギーを著しく低下させ、その結果、界面における諸性質に大きな変化を与えるものですが、このような作用に適した種々の用途に使用されるものをいいます。ここでは界面活性剤をこの用途の面でとらえて列挙しています。界面活性剤の代表的作用は洗浄作用ですが、せっけん又は洗剤として取引されるものは第3類「せっけん類」に属しますので、この概念からは除かれます。したがって、この概念に属するものは、洗浄以外の用途に用いるものとして取引される場合及び一定の用途を定めないで取引される場合の界面活性剤です。
・化学剤
この概念には、主として化学的製品を用途的にとらえたものが含まれます。この概念、に属するものとしては、「無機酸類」ないし「有機金属化合物」に掲げた商品と同じものであっても、それ自体が単独で一定の用途に用いられるものとして取引される場合と、「無機酸類」ないし「有機金属化合物」等に属する数種の物質を混合して一定の用途に適するようにしたものとがあります。前者は、工業薬品として取引される場合及び未だ用途が限定されていないものとして取引される場合は「無機酸類」ないし「有機金属化合物」に属します。しかしながら、両者とも他の類の用途(例えば、染料、顔料、せっけん類、香料類、薬剤等)に使用される場合又はこの類の他の商品の用途(例えば、陶磁器用車由薬、写真材料等)に使用される場合は、この概念には属しません。なお、この商品と類似群は同じですが、国際分類に即して、第2類(カナダバルサムコパール等)、第3類(家庭用帯電防止剤家庭用脱脂剤等)、第4類(固形潤滑剤)、第19類(タールピッチ)及び第30類(アイスクリーム用凝固剤、家庭用食肉軟化剤、ホイップクリーム用安定剤)に属する商品も存在します。
のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)
「のり及び接着剤」のうち、事務用又は家庭用以外ののり及び接着剤が本類に属し、「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」は第16類に属します。また、これらと類似群が同じ「かつら装着用接着剤洗濯用でん粉のり洗濯用ふのりつけまつ毛用接着剤」は第3類に属します。
植物成長調整剤類
この商品には、一般に「植物成長調整剤」と呼ばれているものと「土壌改良剤」とが含まれます。なお、この商品と類似群は閉じ「煤蒸剤(農薬に当たるものに限る。)殺菌剤(農薬に当たるものに限る。)殺そ剤(農薬に当たるものに限る。)殺虫剤(農薬に当たるものに限る。)除草剤防虫剤(農薬に当たるものに限る。)防腐剤(農薬に当たるものに限る。)」は、第5類に属します。
肥料
この商品は、一般に「肥料」と呼ばれているものが該当します。「肥料」は作物の生育を助けるものですが、同じ植物の成長に関係するものであっても、「植物成長調整剤」と呼ばれているものはこの商品に含まれず、本類「植物成長調整剤類」に属します。
陶磁器用軸薬
この商品は、素焼の陶磁器の表面に掛けて、装飾と水分の吸収を防ぐために用いる紬薬が該当します。
塗装用パテ
この商品は、塗装を行う上での下地処理等に用いられる接合剤が該当します。また、この商品と類似群は同じですが、国際分類に即して、第2類(塗料)及び第3類(塗料用剥離剤)に属する商品も存在します。なお、物体の表面に塗布すると固化し塗膜を構成するものは、第2類「塗料」に属します。
高級指肪酸
この商品は、油脂を分解して得られる脂肪酸のうち水に対して不溶性のものが該当します。例示されている商品のほか、「リノール酸」「リルン酸」等がこの商品に含まれます。なお、「グリセリン」は本類「化学品」中の「アルコール類」に属します。
また、「ぎ酸」「酢酸」等の低級脂肪酸も、「化学品」中の「有機酸及びその塩類」に属します。
非鉄金属
本類に属する「非鉄金属」は、「希土類元素」や「核燃料物質」等が該当します。とりわけ、「核燃料物質」は「金属元素又は同位元素」であり、第4類「燃料」には該当しません。また、この商品と類似群は同じですが、国際分類に即して、第2類(塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の非鉄金属はく及び粉塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の貴金属はく及び粉)、第6類(非鉄金属及びその合金)及び第14類(貴金属)に属する商品が存在します。なお、「金鉱」「銀鉱」「鉄鉱」「銅鉱」等、一般に「金属鉱石」と呼ばれる商品は第6類「金属鉱石」に属します。
非金属鉱物
この商品は、鉱物のうち有用元素を含有し、採掘の対象となるもので、「金、銀、銅などの金属類を含有する金属鉱石」以外の商品(非金属鉱石)、例えば、「硫黄」や「ボーキサイト」等が該当します。また、この商品と類似群は同じですが、国際分類に即して、第1類(非金属鉱物)、第6類(金属鉱石)、第14類(宝玉の原石)、第17類(雲母)、第19類(建築用又は構築用の非金属鉱物)及び第20類(海泡石こはく)に属する商品が存在します。なお、「金鉱」「銀鉱」「鉄鉱」「銅鉱」等、一般に「金属鉱石」と呼ばれる商品は第6類「金属鉱石」に属します。
写真材料
この商品は、化学的製品、紙類、プラスチック、ガラス等の材質を問わず、写真撮影、現像、焼付けに使用される材料が該当します。また、いまだ撮影されていない生フィルムや映画用のものも含まれます。なお、この商品とは類似群の異なる商品ですが、映画用の撮影済み「映写フィルム」は第9類に、「写真」は第16類に属します。
試験紙
この商品は、化学薬品を紙に浸潤又は塗布したものであって、その化学薬品の化学反応を利用するものが該当します。なお、この商品と類似群は同じですが、国際分類に即して、第5類(防虫紙)、第16類(紙類)、第17類(コンデンサーペーパー、バルカンファイパー)、第27類(壁紙)に属する商品が存在します。
人工甘味料
この商品は、製菓・製パン・漬物等の甘味剤として用いられるものが該当します。なお、この商品と類似群が同じ「角砂糖、果糖、氷砂糖、砂糖、麦芽糖、はちみつ、ぶどう糖、粉末あめ、水あめ」は、第30類に属します。
工業用粉類
この商品には、原則として穀物及び豆を粉にしたものであって、「のり、接着剤」等の工業製品の原材料として用いられるものが含まれます。また、この商品と類似群が閉じ商品で、専ら食用に供される「食用粉類」は、第30類に属します。
原料プラスチック
この商品は、成形等の加工を何ら施さない原料としてのプラスチックが該当します。なお、これらの半加工品は、この商品には含まれず、第17類「プラスチック基礎製品」に属します。
パルプ
この商品は、紙、レーヨン、セロファンなどの主原料となる「パルプ」が該当します。
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