
あなたは、「自分のビジネスのネーミングが真似されないようにしたい」と考えた時、いくら払いますか?
10万円ですか?
15万円ですか?
(もし専門家や業者に代行してもらうと、実際これくらいの額を請求されます。)
しかし、自分でやれば、1区分3万~4万円程度で済ませることが可能です。
オンラインサービスを利用した場合は、プラス1万円程度で済みます。
この記事は、商標登録の費用について正しく理解できるように解説いたします。
◇目次
1.自分でやる場合の商標費用
自分で商標登録をする場合、うまくいけば約3~4万円(1区分5年登録の場合)で済ませることができます。
かかるのは、特許庁に納める特許印紙代と、郵送費などの諸経費だけです。
特許印紙代は、選択する区分数によって変わります。
区分数は、ビジネス上のカテゴリ(全45種類)の中からいくつ選択するかによって決まります。
■商標登録の費用(5年分、特許庁への印紙代のみ)
区分数 | 出願時の費用 | 登録時の費用 | 合計 |
---|---|---|---|
1 | ¥12,000 | ¥17,200 | ¥29,200 |
2 | ¥20,600 | ¥34,400 | ¥55,000 |
3 | ¥29,200 | ¥51,600 | ¥80,800 |
4 | ¥37,800 | ¥68,800 | ¥106,600 |
5 | ¥46,400 | ¥86,000 | ¥132,400 |
(1)支払いは通常2回ある
とても重要なポイントです。
商標登録は、完了するまでに最低2回の支払が発生します。
詳しく解説していきます。
まず、商標には「出願時の費用」「登録時の費用」というものが存在します。
この言葉の意味は以下のとおりです。
出願時の費用:1回目に支払う。特許庁に対して審査を申請するための費用
登録時の費用:約4~7ヶ月後、審査結果がOKだったら支払う。5年/10年を選択して支払う、権利を維持するための費用
■出願時の費用は、審査に落ちて諦めた場合は戻ってこない
出願時の審査は現在4~7ヶ月程度かかります(2023年現在)。
特許庁による審査は、「消費者が混同しないか?」など、さまざまな観点から厳しくチェックされます。
NGだった場合、「拒絶理由通知」という通知文書が届きます。
そこで諦めたとしても出願時の費用は返金されません。
なお、拒絶理由通知に対して反論の機会も設けられていますが、再度拒絶される場合もあります。
なにより、さらに時間もお金も費やすことになってしまいます。
(2)選択する「区分」の数で費用が変わる
それでは、2つの異なる状況で出願から登録までした場合、トータルの金額がどれくらいになるかシミュレーションしてみましょう。
■例①:
3つの区分で取得する場合の金額
たとえば、あなたが「飲食店の情報サイトの名前」を商標登録したいとします。
その後あなたは色々調べた結果、自分のビジネスに関係の近い以下の3つの区分を選択することにしました(ここでは、区分を選択する過程を省略します)。
- 1つ目の区分:オンラインでのサービス提供
- 2つ目の区分:飲食の知識の教授
- 3つ目の区分:広告収入を伴う場合
ここで、冒頭にあった表を確認してみましょう。
すると、3区分であれば、出願時に29,200円、登録時に51,600円、トータルで80,800円の特許印紙代が必要であることが分かります。
■例②:
キャラクターなどの汎用性が高く、より多くの区分で取得する可能性がある場合の金額
キャラクターの商標登録は一般的に、キャラクターの画像やキャラクター名で登録します。
どの区分で登録するかは商品や事業内容で差があります。
キャラクターのグッズとして、以下の合計7区分を検討しているとします。
①文房具類 <16類>
②かばん類、袋物 <18類>
③クッション、まくら、家具 <20類>
④布製身の回り品(ハンカチ・タオルなど) <24類>
⑤洋服、履物 <25類>
⑥おもちゃ、人形 <28類>
⑦菓子、パン <30類>
すると、出願時に63,600円、登録時に120,400円、トータルで184,000円の特許印紙代が必要であることが分かります。
人気のキャラクターについては、多くの区分で登録されているケースが見受けられます。
例えば、可愛いクマのキャラクターでおなじみのリラックマは、2003年の商標登録4724108号において、上記①~⑦の7区分で登録されています。

引用:第4724108号
リラックマはその後、2006年の商標登録4952978号では9区分、2008年の商標登録5109500号では4区分が追加で登録され、トータルで20区分が登録されました。
キャラクターの人気が高まって次々とキャラクターグッズが展開されていく中で、必要な区分数も増えていったと推測されます。
ちなみに、リラックマの商標登録は、キャラクターの画像とキャラクターの名前が両方セットで商標登録されています。
一方、キャラクターの画像とキャラクターの名前を別々に商標登録しているケースもあります。
キャラクターの画像とキャラクターの名前をセットで登録した方が1つの商標登録となり費用は抑えられます。
しかし、両方セットでの商標登録となりますので、キャラクターの画像だけ、またはキャラクターの名前だけを真似されたときに、商標権の保護が及ばない場合もあります。
したがって、キャラクターの画像とキャラクターの名前を別々に商標登録した方が、商標権の保護としては手厚いと考えられます。
また、キャラクターの画像は著作権での保護もあるものの、キャラクターの名前について著作権で守られません。
そのため、費用との兼ね合いで、キャラクターの名前を優先して商標登録するという考え方もあります。
このように、キャラクターの商標登録については、登録する商標をどうするか、どの区分を選択するかによって、商標登録の権利範囲も取得にかかる費用も変わってきます。
弁理士に依頼するときは、今後のグッズ展開やコラボレーション、イベントなど、現在だけでなく、これから予定しているキャラクタービジネスの情報もお伝え頂くと、より適切な提案を受けられると思いますので、検討してみてください。
■区分はいくつ選ぶべきなのか?
<商標の区分45種類について解説している記事はこちら >
Cotobox検索ページで、区分の一覧をご確認いただけます。
(3)自分でやるのは、専門知識がないと面倒
■自分でやるとつまづくポイント3つ
ここまで聞いて、「よくわからない、自分だけでやることはとても難しい」と感じる方も多いでしょう。自分でやると、以下3点の内容でつまづく傾向が多いとされています。
- そもそも、どの区分を選べばいいのかが分からない
- 区分を選んでも、その内容に自信がない
- 専門用語が多すぎて分からない
■自力だと、やることが多い
自分で | オンラインサービス | 特許事務所(一例) |
---|---|---|
①商標制度の理解 ②商標の事前調査 ③区分の選択 ④出願書類プリント ⑤書類記入作業 ⑥郵便局へ事前連絡 ⑦特許印紙購入(1回目支払) ⑧郵送作業 ⑨審査待ち約4〜7ヶ月 ⑩審査OKの通知 ⑪登録料の書類準備 ⑫郵便局へ事前連絡 ⑬特許印紙購入(2回目支払) ⑭郵送作業 |
①商標検索 ②注文 ③1回目支払(出願料) ④提携弁理士による出願 ⑤審査待ち約4〜7ヶ月 ⑥審査OKの通知 ⑦2回目支払(登録料) |
①面談設定 ②ヒアリング ③商標の事前調査 ④調査報告書受け取り ⑤出願の意思決定 ⑥2回目の事前調査 ⑦1回目支払(出願料) ⑧審査待ち約4〜7ヶ月 ⑨審査OKの通知 ⑩2回目支払 |
やはり、通常は専門家である弁理士が対応する領域であるため、調べることも大変な手間がかかります。
費用・スピード・安心感の中で何を重視するかによって決めていきましょう。
商標登録の流れについて詳しく解説した記事はこちら
オンラインは、とにかく手間がかからないことが利点
オンラインで商標出願が出来ることは、あらゆる点で楽です。
具体的なことは以下の3点です。
- ネット検索の要領で、登録の可能性が調査できる
- 郵送や書類記入の手間がない
- 専門家が書類を確認してくれる機会がある
■Cotoboxは5万円程度から利用可能
オンラインサービスでは、当然自分で出願手続をするより費用がかかります。
しかし、中間コストを極力減らしているため比較的安くなっています。
■注文に踏み切れない場合もサポートあり
もしもオンラインサービスで仕組みが理解しきれなかったとしても、以下のサポートがあります。
- 間違えて注文してしまっても、専門家が修正してくれる
- 専門家が事前調査からサポートしてくれる(安心フルサポートオプション限定)
ということが推奨されています。
3.商標の費用を比較する
それでは、ここまでの方法について

※令和4年4月1日施行の特許法等改正に伴い、特許印紙代の改定がございます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
1区分だけの費用総額をまとめると、以下のようになります。
- 自分でやると、約3万円
- Cotoboxだと、約5〜6万円
- 特許事務所などの平均は約14万円
4.まとめ
■費用の考え方
- 支払いは通常2回は発生する
- 区分の数によって費用は変わってくる
- 自分でやる場合は、ある程度の下調べや工数が必要
■各出願方法のメリット
- 自力でやるメリット:費用を最小にすることができる
- オンラインのメリット:比較的早く出願ができ、チェック機能あり
- 特許事務所のメリット:対面で相談できる(電話・メールのところもあります)
商標は、金額がすべてではありません。
重要なのはあなたのビジネスの名称等が権利として保護され、安心して活動に取り組むことができることです。
自分でやればコストは抑えられますが、出願料だけ払って却下されては意味がありません。特許事務所に依頼することは、対面での安心感も得られるメリットもあるでしょう。
Cotoboxサービスはプラットフォームとして価格は抑えつつ、体験した人にとって商標が身近になれればと考えています。
よりよい選択肢を見つけ、ぜひ商標の出願にチャレンジしてみましょう。