商標の名義変更や社名・住所変更するときの費用は?

 

商標登録に向けた手続中や、商標登録完了後に、あなたの住所が変わることはありませんか?また、取得した商標権を第三者に譲渡することもあるかもしれません。
このような場合、特許庁に対して変更手続を行うことで、住所・名義人などの情報を変更することができます。

変更手続をしなければならない人にとって、理由はそれぞれ異なるかもしれません。

しかし、いざ変更手続をしようと思っても、その方法は少し複雑です。届出の種類が複数ある上に、商標登録前と後で費用が異なります。

この記事では、商標について各種変更手続をする際の費用、変更手続に必要な届出の種類について解説します。‎

商標について住所などの変更手続をする場合、特許庁印紙代などの費用は状況によって変わります。変更する情報や、どのタイミングで変更するかによって費用が変わるため、ケース別に解説します。

(1) 住所変更があった場合

会社移転などが該当します。

■出願後
印紙代は無料です。
特許庁に対して「住所(居所)変更届」を作成し、提出します(リンク先3つ目の様式)。

■登録後
印紙代は1,000円です(収入印紙を使用します)。
特許庁に対して「登録名義人の表示変更登録申請書」を作成し、提出します。

(2) 法人名などに変更があった場合

社名変更や、改姓した場合などが該当します。(1)住所変更があった場合と同じ手続のため、印紙代や提出すべき書類は同じです。

■出願後
印紙代は無料です。
特許庁に対して「住所(居所)変更届」を提出する運びとなります(リンク先3つ目の様式)。

■登録後
印紙代は1,000円です(収入印紙を使用します)。
特許庁に対して「登録名義人の表示変更登録申請書」を提出する運びとなります

(3) 第三者に権利を譲渡する場合

別の会社に権利を譲渡したり、会社代表者である個人の名義から法人名義に切り替える場合などが該当します。

■出願後
印紙代は4,200円です(特許印紙を使用します)。
特許庁に対して「出願人名義変更届」を作成し、提出します(リンク先PDF先頭ページ参照)。

■登録後
印紙代は3万円です(収入印紙を使用します)。
特許庁に対して「商標権移転登録申請書」を作成し、提出します。参照先は特許権に関する例ですが、末尾に意匠商標移転担当の連絡先が記載してあります。

(4) ネーミング・ロゴは変更できる?

「商標を出願した後に、ネーミング・ロゴなどを変更したい」というケースがあるかもしれません。
しかし、ネーミング・ロゴの変更はできません。商標登録の手続は先願制のため、互いに出願が競合した場合、出願日の早い人が商標権を得ることになります。

もし出願後に商標を変更することを認めてしまえば、「先に出願した人が、後から出願された商標の情報を確認し、使わせたくないと感じたら、意図的にネーミング・ロゴを被せるように変更する」という悪質な手口がまかり通ってしまうことになります。このような不正を防ぐため、商標法において、出願後に商標の内容を変更することはできません。

■出願後
変更できません。

■登録後
変更できません。

では、変更するためにはどうすればいいのでしょうか?
ネーミング・ロゴを変更するのでれば、商標登録新たに出願をし直すことになります。

 

2. 特許事務所などに依頼した場合の料金相場

 

初めて自分で変更手続をする場合、分かりにくい点は2つあります。
1つ目は、「氏名(名称)変更届」や「出願人名義変更届」など書類が複数あり、変更する内容によって提出すべき届出の種類を判断しなければならない点です。
もう1つは、特許庁の推奨するガイドラインに沿って正しく書類作成しなければならない点です。

届出の作成を特許事務所に依頼したい場合、料金例は以下のとおりです(国内6特許事務所から算出)。

■住所の変更
出願前:1.2万円前後
登録後:1.2~1.5万円(+印紙代1,000円)

■名前、法人名の変更
出願前:1.2万円前後
登録後:1.2~1.5万円(+印紙代1,000円)

■権利の譲渡
出願前(出願人名義変更届):1.2万~2.5万円(+印紙代4,200円)
登録後(商標権移転申請):2.5万~4万円(+印紙代3万円)

上記料金例のうち、特許事務所によっては、件数に応じて割引してくれる事務所もあります。移転などで大量の商標を一気に住所変更しなければならないケースを想定しているようです。

変更手続を専門家に依頼するのであれば、既に商標出願のタイミングで付き合いのあった専門家に任せることになるでしょう。コスト重視の方は、出願前の段階で全体費用を把握することをおすすめします。

 

3. 会社名や住所の変更手続をせず、放置しておくとどうなる?

 

特に創業期の会社であれば、移転も多く、住所が変わりやすいかもしれません。商標登録を終えた後に移転したが変更手続きを行わなかった場合、なにかペナルティはあるのでしょうか?

■ペナルティ・デメリットは特にない
既に持っている商標について、変更手続に関する届出をしなくても、特にペナルティや罰則を受けることはありません。そのため、仮に住所変更の手続をしていなかったとしても、それを直接の理由にして、商標取消のような事態に陥ることはありません。

■契約や、新しい出願を行うなら、変更手続するべき
住所変更の手続をしなくてもペナルティはありませんが、以下のようなケースでは問題となるかもしれません。

 

(1) 契約時や、権利行使をする場合に生じるリスク

自身で取得した商標について、別の会社と契約を交わす際は、権利者が誰であるのかを明らかにしなければなりません。

例えば、自社と取引先との間でライセンス契約書(商標使用許諾契約書)を交わすケースを考えてみましょう。この場合、登録商標の出願人情報と、契約書に記載する自社の情報は、当然同じでなければなりません。したがって、契約前には変更手続をし、最新の情報にしておく必要があります。

 

(2) 新しく商標を出願する場合に生じるリスク

シリーズ商品のように「既に持っている商標とよく似たネーミングの商標を出願したい」というケースを考えてみましょう。

このケースでも、もし変更手続をしていなければ問題となる可能性があります。
手続していなければ、新しく出願した商標は特許庁から「これは既にある商標と似ている」、つまり別人によって出願された類似の商標として審査されてしまい、拒絶される可能性があるのです。

例えば、あなたの会社が「Cotobox」という商標を持っており、その会社が移転したとします。このまま住所の変更手続をせずに「Cotobox Red」という商標を出願した場合、拒絶されてしまう可能性があります(拒絶理由通知)。拒絶理由通知に対し反論することもできますが、時間のロスとなります。このような事態を避けるために、事前に変更手続を行いましょう。

 

4. 商標を「個人→法人」に切り替える場合は?

 

例えば、個人で商標登録し、その後自ら設立した法人に名義を変更するとします。この場合、名義変更の手続は「氏名を変更する場合」「第三者に権利を譲渡する場合」どちらに該当するのでしょうか?

■第三者に権利を譲渡する場合と同じ
個人名義から法人名義に切り替える際の名義変更の手続は、1. (3) 第三者に権利を譲渡したい場合と同様です。今回の例では商標登録を終えた後に名義変更の手続を行うので、印紙代3万円に加え、商標移転登録申請書を提出することになります。

ちなみに、今回の例は「氏名を変更する場合」に該当しません。「氏名を変更する場合」は、本人の氏名や、会社名(商号)を変更したときに行う手続です。

■個人と法人はどちらで取得するべきか?
「早く権利化するために個人で商標登録を行ったのに、なぜ後で設立した法人に切り替えるためだけに印紙代を払うのか…」と法人への切り替えに抵抗感がある方もいるでしょう。

しかし、長期的に考えるとサービス運営主体が法人であれば、権利者も法人にしておくことをおすすめします。なぜなら、個人名義で権利化した後に法人としてブランド化した場合、個人が会社を離れるときに商標権も持っていてしまうことになり、トラブルを招くからです。サービスのネーミングに生じるブランド価値は、法人に帰属されるべきです。

 

5. 法人が合併・分社化した場合の費用は?

 

(1) 合併する場合

商標を所有している法人(権利者)が合併によって解散し、商標権を合併後誕生した法人に承継したいケースを考えてみましょう。
この場合、1. (3) 第三者に権利を譲渡したい場合と同様です。そのため、印紙代3万円に加え、商標移転登録申請書を提出する必要があります。

なお、手続の際は合併についての登記がある登記事項証明書も必要となります。

※「商標を所有している法人を母体として吸収合併が行われ、社名や住所を変えるだけ」という場合、1. (1) 住所変更があった場合と同様です(印紙代1,000円)。

 

 

(2) 分社化する場合

会社を分割する場合も、1. (3) 第三者に権利を譲渡したい場合と同様の手続です(商標権移転登録申請書)。
印紙代は30,000円となります。なお、手続の際は以下も必要となります。

 

 

6. まとめ

 

Cotoboxではオンラインでの商標出願が可能です。

まずは、そのネーミングが商標登録できるかどうかを確認しましょう。

無料アカウント登録

詳細の見積もりが取れるのはもちろんですが アカウント登録の方には
「商標の使い方や時事ネタ」など
様々な情報をお届けいたします。 御社の知財を活用するために
ぜひ情報をお持ち帰りください。

Cotoboxトップページへ移動

まず、自社のサービスが商標登録されていないか確認したい方はこちらから

関連記事

商標登録の費用と相場 ~ 3分で詳

あなたは、「自分のビジネスのネーミングが真似されないようにしたい」と考えた時、いくら払いますか?10万円ですか?15万円ですか?(もし専門家や業者に代行してもらうと、実際これくらいの額を請求されます。) しかし、最低1つの区分でとるのであれば、3万~4万円程度で済ませることが可能です。もしもオンラインサービスを利用した場合でも、プラス1万円程度で済みま

商標の区分 第10類とは?

この記事では、商標区分の第10類について解説します。区分一覧について知りたい場合、こちらの記事もご覧ください。 <商標の区分とは ~45種類を全部解説します> https://cotobox.com/primer/trademark-class/ 第10類 – 医療器具 第10類は、医療用機器、医療用品、ゴム製の衛生用品などがあてはまります。たとえば

商標の区分 第16類とは?

この記事では、商標区分の第16類について解説します。区分一覧について知りたい場合、こちらの記事もご覧ください。 <商標の区分とは ~45種類を全部解説します> https://cotobox.com/primer/trademark-class/ 第16類 – 紙、事務用品 第16類は、紙が原料の印刷物、紙が原料の製品、プラスチックが原料の包装品、文