商標の審査期間はどのくらい待つのか?

商標登録の手続きを始めてから無事登録に至るまで、どのくらいの期間がかかるのでしょうか?

‎ もちろん、登録までの期間は、短ければ短いほど良いでしょう。 しかし、昨今商標出願件数は増加傾向にあり、登録までの期間の状況も日々変化しています。

‎ この記事では商標登録されるまでどのくらいの期間がかかるのかを解説します。

 

商標の出願書類を提出する宛先は「特許庁長官」です。提出した出願書類は、特許庁の審査官によって1件1件処理されています。2019年現在、商標登録までにかかる期間は約13ヶ月といわれています。

 

(1) 書類不備のチェック:出願日から約1ヶ月後

出願書類を提出したら、始めの段階で審査を受けます。審査といっても、商標の登録が認められるかどうかの審査ではなく、主に以下の確認が行われています(方式審査)

<審査内容の一例>

このチェックにおいて不備があった場合、特許庁から抜け漏れを正すよう書面が届きます。出願日からこの書面が届くまで、約1ヶ月を要します。

 

(2) 商標の本審査:出願日から12~13ヶ月後

出願書類の不備が無くなると、しばらく審査待ちの状態となります(審査待ちの理由は後述)。

そして、出願日から12~13ヶ月後、ようやく出願書類の審査が行われます(実体審査)。以下は審査の一例を要約したものであり、一例以外にも多くの審査項目があります。特許庁では、出願された商標を登録すべきかどうか、様々な角度からのチェックが行われています。

<審査内容の一例>

 

なお、特許庁は商標についての審査着手状況を順次公開しています。自分の商標がいつ審査開始されるかどうかを知りたい場合、以下のリンクから確認できます。

<商標審査着手状況>
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shinsa/status/cyakusyu.html

(3) 登録料納付を経て、無事に権利化

審査で登録が認められれば、登録料を納付することで特許庁による権利化手続きが進められます。この手続きの期間も含め、出願した日から商標権が発生した日(登録日)まで約13ヶ月を要することになります。

 

 

2. なぜ審査待ち期間が年々延びているのか?

 

「商標審査までに約10~11ヶ月かかる」と聞いたら、多くの人が「なぜそんなに長期間かかるのだろう?」と思うでしょう。実は、この背景にある近年の出願件数増加が大きく関係していました。

(1) ここ10年で商標出願件数が約2倍に増えている

特許庁の取組・統計情報をまとめた「特許庁ステータスレポート2018」によると、2017年における商標登録出願件数は過去最多の17万3,611件となりました(国際出願除く)。この数字は2011年と比べ約1.8倍となっています。

 

(2) 2013年の審査待ち期間は3~4ヶ月だった

ここに、出願件数の増加を顕著に示す画像があります。

これは、2013年1月当時の商標審査着手予定です。
平成25年1月の欄を見てみると、概ね「H24.8~9」という記載となっています。これは、「平成25年1月は、平成24年8~9月(約3~4ヶ月前)に出願された商標を審査する予定です」ということであり、審査のために3~4ヶ月待つだけでよかったことが分かります。

■今後も増加傾向が予想される
かつて3~4ヶ月であった審査期間が、現在13ヶ月程度に延びていることも驚きですが、今後さらに商標出願の件数が増加する可能性も考えられます。現在の審査待ち期間が、2年、3年と延びていく日も来るのかもしれません。

 

 

3. 登録まで要する期間が1年以上かかることも

 

1年以上審査を待った後、ようやく審査となっても、必ずOKがでるとは限りません。

(1) 登録を認めない「拒絶理由通知」が届くことも

特許庁の審査官は感覚で商標登録のOK・NGを判断しているわけではありません。既に登録されている商標との比較など、審査基準に基づく細かな照合を経て判断をしています。

そして特許庁による審査において「登録できない」という判断となった場合、拒絶理由通知という書類が送付されます。

 

(2) 拒絶理由通知だけなら、短期間で解消できる

しかし、この通知を受けてしまったからといって、全てに悲観することはありません。この通知を受けてしまったとしても、反論の機会が与えられています。

この拒絶理由通知に対して反論する場合、出願人は反論意見を述べる書類(意見書)や、拒絶の原因に該当する項目を削除した書類(手続補正書)を提出します。この対応を行うことにより、拒絶理由を解消できることがあります。

 

(3) それでも認められない場合、長期化リスクあり

しかし、拒絶理由通知に対応しても、再度、特許庁から「登録を認められない」と査定を受けることがあります(拒絶査定)

この査定を受けても納得できずに反論する場合、反論を行うステージは上がっていきます。そして、このように「認められない判断に対し、反論する」を続けていくと、最終的に最高裁判所で争うことになります。

この一連の「認められない判断に対し、反論する」を続ければ、登録までの期間は当然11ヶ月で収まりません。1年、2年と気が遠くなるほど長期化していくことになります。

 

(4) 補足:諦めることも可能

もちろん、訴訟まで発展することはレアケースです。そして、認められないからといって反論し続ける必要性はなく、諦める選択肢もあります。

拒絶理由通知に対応する段階で弁理士などの代理人を立て対応していけば、当然反論をする度に費用がかさみます。大変稀なケースですが、訴訟まで発展すれば費用は数百万円にも及ぶでしょう。

諦めた場合、出願した商標が登録になることはありません。諦めるまで支払っていた費用を負担して終了となります(一部返金保証などがある特許事務所を除く)。

 

 

4. 審査を早めてもらう方法

 

■早期審査制度を利用すれば、約2ヶ月に短縮

あなたがもし商標登録を目指す場合、審査結果の通知は早ければ早いほど良いです。しかし、ここまで述べたように、年を追うごと審査開始までの待ち時間は延びています。

そこで、この審査開始までの待ち時間をショートカットできるのが「早期審査制度」です。制度利用のための要件を満たせば、審査結果が来るまでの期間を約2ヶ月へと短縮できます。

早く商標の権利化を進めたい人は、ぜひ早期審査制度を検討すべきです。早期審査についての詳細は「商標の早期審査にかかる費用」をご覧ください。

 

5. まとめ

 

 

まずは、そのネーミングが商標登録できるかどうかを確認しましょう。

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