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標準文字による商標登録

単に商標登録といっても、さまざまな出願方法があります。
なかでも、特に採用されているのが標準文字商標です。
商標登録をご検討されている方には、なんとなく標準文字商標で検討を始めたけれども本当に自分が守りたい権利をカバーできるのかご心配になってしまうこともあると思います。

本記事では、標準文字とはどのようなものか、さらに、ご検討中の商標の出願方法は標準文字に適しているのかを解説いたします。

 

標準文字とは

特許庁は、商標出願において「標準文字制度」を採用しています(商標法第5条第3項)。

標準文字は特許庁長官が定めた文字書体です。
商標が文字のみにより構成される場合、あらかじめ定められた標準文字で登録することができます。

標準文字は、これまで数回にわたって文字等の追加がなされました(平成15年7月1日、平成16年12月24日)。
そして、平成28年9月23日にはすべての文字が改められ、新しく指定されたものが現在の標準文字(新標準文字)です。

 

新標準文字については、以下の特許庁が提供している資料(PDF)もご参照ください。

▶平成28年9月23日に指定された標準文字一覧
▶上記の標準文字の指定における主な変更点(字形が大きく変わったもの)
▶標準文字の指定に関するQ&A

標準文字商標として出願するには

標準文字で商標登録を受けようとするときは、願書に【標準文字】と記載する必要があります。

しかし、【標準文字】と記載されていても、願書に記載された商標の構成によって標準文字と認められない場合は、標準文字でない出願として処理されることになります。

標準文字として登録することができるのは、文字のみで構成される商標で、その文字に特別な態様(書体やデザイン、文字の形や配列などの特徴やデザイン要素)を含まず、単に横方向に文字のみを記載したものです。

一方、標準文字として認められない例は下記の通りです。

    • 図形のみの商標、図形と文字の結合商標
    • 特許庁長官の指定文字以外の文字を含む商標
    • 文字数の制限30文字を超える文字数(スペースも文字数に加える。)からなる商標
    • 縦書きの商標、2段以上の構成からなる商標
    • ポイントの異なる文字を含む商標
    • 色彩を付した商標
    • 文字の一部が図形的に、又は異なる書体で記載されている商標
    • 花文字など特殊文字、草書体など特殊書体で記載された商標
    • スペースの連続を含む商標

上記のほか、半角文字及び半角スペースも標準文字とは認められません。

 

参照サイト:知的財産相談・支援ポータルサイト『標準文字とはどのようなものですか?

 

 

標準文字商標の権利範囲

通常、登録商標の範囲は、願書に記載した商標に基づいて定められますが(商標法第18条第3項、同法第27条第1項)、標準文字による登録商標の範囲は、願書に記載した商標そのものではなく、標準文字に置き換えて現したものに基づいて定められます。

商標の権利範囲(類似範囲)は、商標の[称呼(読み方)][外観(見た目)][観念(意味)]の3つの要素で総合的に判断をされます

標準文字商標は、このうちの[外観]には特徴がなく、主として[称呼(文字の読み方)]と[観念(文字から生じる意味)]が判断要素とされます。
ただし、商標の文字表記(漢字、ローマ字、ひらがな、カタカナ)は外観にもあたるといえますので、決して外観がないということではありません。

注意すべきは、標準文字は、「特徴がないから権利範囲(類似範囲)が広い」などと、いわばオールマイティであるように誤解をされてしまうことがある点です。

しかし、上記のように、いずれの商標であっても[称呼・外観・観念]の3要素により総合的に類否判断がなされるものであるため、標準文字だからといってその他の商標(例えば、ロゴ商標)よりも権利が広いとは一概にはいえません

たしかに、ロゴ商標の方が、類似範囲が狭く見られやすいという傾向は認められます(外観や構成によっては、類似する範囲が限定的になることがあるため)。
しかしながら、例えば、ロゴ商標は、そのロゴ商標を構成する文字や態様などによっては標準文字の場合と変わらない判断をされることもあります。

したがって、出願する商標を決める際は、権利範囲が広いからという理由だけで安易に標準文字を採用されない方がよいと思われます。

それよりも、実際に使用(予定も含む)する商標の表記や態様(平易な文字のみなのか、それとも、特徴ある文字、あるいはデザインや図形も含めたロゴなのか)をできるだけ忠実に見定めて、出願する商標を決めることを最優先におすすめします
その方が、登録商標の権利内容に沿った使用となり、適切な権利行使として認められることでしょう。

 

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標準文字商標として出願すべき場合

商標の字体(見た目)には特徴は持たせず、その文字や読み方について(のみ)を権利化したいという場合は、標準文字での出願をされるのが適切です。

商標をいろいろな字体(フォント)で使用しているような場合は、すべての字体について登録することは費用面において現実的でないため、まずは標準文字で登録することにより権利確保を図るという方法もあります。

または、まだロゴマークが完成していないが文字(発音)だけが決まっている状況で、早く権利化したいという場合も、まずは「標準文字」で出願をしておき、のちほどロゴマークを出願するという方法もあります。

さらには、他者による類似商標の出願や登録を防ぐ、あるいは無断使用などを防ぐためなど、商標権の守りを万全とすべく、より広く権利確保をされたいという場合には、ロゴ商標だけでなく、たとえばロゴ商標中の文字部分だけを標準文字商標として登録をしておく考え方もあります。
このとき、出願する商標の件数分の出願および登録、登録後の管理のためのコストが必要となる点は考慮すべきです。

一方で、文字の字体やデザインについても商標権を確保したいという場合は、ロゴ商標で出願をすべきということになります。

 

 

まとめ

以上のように、標準文字による商標登録は、希望する商標の内容や特性をよく知り、出願形式の1つとして自分の登録したい商標に適するものなのかをよく検討したうえで、選択をすることをおすすめします。

 

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    執筆者
    cotobox編集部
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