せっかく商標登録をしようとしても、どの区分を選択すればよいかわからないことはありませんか?
Cotoboxでは商標登録についてブランドなど区分、分類に関する多くの問い合わせがあります。
しかし、区分は決してわかりやすいものではありません。この記事では、「飲食店の区分はどれにすればいいんだろう? 」という疑問に対し、検討材料となる事例をご紹介します。
◇目次
1.こんな方におすすめ
- 飲食店を出店している人
- お弁当屋さんを出店している人
- カフェを経営している人
※食品を作っている方はこちらの記事を見てください。
■「区分」とは
区分とは、「商標をどの分野で使用するか?」というカテゴリのことで、全部で45種類あります。詳細は以下の記事も参考にしてください。
2.おすすめ区分
飲食店の場合、選択の候補として考えられるのは以下になります。
区分の選択は43、30から該当する区分を選択されることが参考になります。
- 43類: 飲食物の提供
- 30類: お弁当の提供、テイクアウト商品、コーヒー豆の提供など
多くの飲食店が43類で出願をされているようですが、飲食に関するセミナーなどを精力的に行う場合は違う区分の選択も視野に入ります。
また、自店で畑をもって野菜を栽培したりする場合は食品会社や生産者の場合の区分選択 を参考にしてください。
■独自メニューの名称等を登録したい場合
この場合も、43類を選択してください
3.事例
それでは、あなたと業態が似ている以下の企業の事例を見てみましょう。
ほっともっと、いきなりステーキ、サイゼリヤを事例として事例としてご紹介します。
1 ほっともっとについて
ほっともっとは、複数の商標を登録しています。ここでは、いくつかを抜粋して見ていきます。
まず、以下のとおり、2008年3月11日に、上段「HottoMotto」下段「ほっともっと」からなる商標が出願され、同年7月11日に登録されています(それ以前にも同様の構成の商標が出願されています)。この商標の区分は、29類と30類となっています。29類は、加工済みの食品、乳製品、植物油脂などが当てはまる区分です。また、30類は、コーヒー、パン、米、お菓子、調味料、テイクアウトの食品などが当てはまります。つまり、ほっともっとで販売されている商品に関する区分ということになります。
(画像:特許情報J-PlatPatより抜粋)
その後、2008年2月27日に、以下の画像のロゴの商標が出願され、同年9月5日に登録されています。このロゴは、ほっともっとの店舗の看板に掲げられているものですね。この商標の区分は、同じく29類と30類です。
(画像:特許情報J-PlatPatより抜粋)
また、同年10月7日に先ほどのロゴのカラーの商標が出願され、2009年5月22日に登録されています。この商標の区分は、29類30類だけでなく、16類、20類、32類、35類、43類と、多くの区分での登録がなされています。
(画像:特許情報J-PlatPatより抜粋)
このように、その商標の使用の用途によって、区分を変更して出願がなされています。
2 いきなりステーキについて
以下のとおり、「いきなりステーキ」という2つの文字の商標が登録されており、区分は、30類と43類となっています。43類は、先ほど説明したように、飲食物の提供に関する区分となっており、お店の名前を商標登録する場合に必須となる区分です。
(画像:特許情報J-PlatPatより抜粋)
3 サイゼリヤについて
サイゼリヤでは、以下のロゴの商標が、29類、30類、31類、32類、33類、35類、43類に登録されています(画像は29類の登録情報です)。
(画像:特許情報J-PlatPatより抜粋)
また、ロゴだけでなく、29類、43類については、サイゼリヤという文字も登録されています。
(画像:特許情報J-PlatPatより抜粋)
以上から、30類と43類を基本としつつも、事業内容から考えて必要となる区分を順次取得していく必要があります。
4.まとめ
(1)飲食店の場合の区分候補
区分の選択は43、30を選択されることが参考になります。
- 43類: 飲食物の提供
- 30類: お弁当の提供、コーヒー豆の提供など
(2)注意事項
- 自社に該当しない区分など、選択しなくても良いケースがある
- 専門的的な情報の発信など、ほかの区分を選択する場合がある
- 予算上難しい場合は、まず優先的に1つ選択することがおすすめ
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