せっかく商標登録をしようとしても、どの区分を選択すればよいのかわからないことはありませんか?
Cotoboxでは商標登録についてブランドなど区分、分類に関する多くの問い合わせがあります。
しかし、区分を調べることは決してわかりやすいものではありません。
この記事では、「アプリ開発、ソフトウェア開発をしている場合の区分はどれにすればいいんだろう? 」という疑問に対し、検討材料となる事例紹介をします。
◇目次
1.こんな方におすすめ
- アプリの開発、リリースをする人
- ソフトウェアの開発、リリースをする人
- ゲームアプリを開発する人
- アプリ開発やソフトウェア開発を受託している人
※SNS、マッチングアプリを開発する方はこちらの記事をご覧ください。
■「区分」とは
区分とは、「商標をどの分野で使用するか?」というカテゴリのことで、全部で45種類あります。
詳細は以下の記事もご参考にしてください。
2.おすすめ区分
ソーシャルネットワーク、マッチングアプリを展開している場合、選択の候補として考えられるのは以下になります。
- 9類:ダウンロード可能なアプリを提供される場合に該当します。
- 42類:オンラインでのサービスを提供する場合です。
- 35類:無料広告の設置など、広告収入を伴う場合です。
ただし、「アクセスのための情報発信はするが、広告設置やスポンサーバナーはつけない」という方であれば、35類は必要ありません。
また、事業について主軸となることが別にある場合は他の商品なども検討の対象となるかもしれません。
すでに商標が登録されていないか、実際に検索してみましょう。
3.事例
それでは、あなたと業態が似ている以下の企業の事例を見てみましょう。
[ポケモンGO][マネーフォワード][AbemaTV]を事例としてご紹介します。
ポケモンGOについて
まず、「ポケモンGO」は、ロゴ商標として、9類、28類、41類で登録されています。
9類は、先述の通り、ダウンロード可能なアプリを提供する場合に選択する区分です。
28類では、家庭用テレビゲーム機や携帯用液晶画面ゲーム機、おもちゃなどの商品が指定されています。
41類では、インターネットを利用して行う映像の提供、映画の上映・制作又は配給などのサービスが指定されています。
マネーフォワードについて
「マネーフォワード」は、文字のみの商標と、いくつかのロゴ商標が登録されています。
この記事では、以下のロゴ商標について見ていきます。
区分は、9類、35類、36類、38類、41類、42類で登録されています。
9類は、先述の通り、アプリなどのダウンロードして利用するソフトウェアを提供する場合に選択するものです。
42類は、ダウンロードせずに使うソフトウェア(SaaS)を提供する場合に選択するものです。
35類は、広告業、経営の診断又は経営に関する助言、36類は金融や保険に関連する区分、38類は電気通信等に関連する区分、41類はセミナーの企画・運営又は開催、技芸・スポーツ又は知識の教授に関連する区分です。
このように、その商標の区分を見ていくと、どのような商品・サービスを展開しているかが分かります。
AbemaTVについて
「AbemaTV」は、文字の商標として、9類、35類、38類、41類、42類で登録されています。
マネーフォワードと似た区分の選択であり、違いは36類が含まれるか否かです。
36類は、金融等に関連する区分であり、AbemaTVは金融サービスではないため、36類が選択されていないものと推測できます。
なお、上の画像のロゴについては、9類、35類、38類、41類、42類以外にもかなり多くの区分で登録されています。
これは、このキャラクターがさまざまな商品やサービスに利用されるからであると推測できます。
このように、サービス内容や業種が似ている場合、取得すべき区分が重複することがあります。
そのため、区分選択に迷った場合には、同業他社の取得区分を参考に考えることが有用です。
4.まとめ
(1)アプリ開発、ソフトウェア開発の場合の区分候補
- 9類: ダウンロード可能なアプリを提供される場合に該当します。
- 42類: オンラインでのサービスを提供する場合です。
- 35類: 無料広告の設置など、広告収入を伴う場合です。
(2)注意事項
- 広告収入を得ない場合など、選択しなくても良いケースがある
- 専門的的な情報の発信など、ほかの区分を選択する場合がある
- 予算上難しい場合は、まず優先的に1つ選択することがおすすめ
なお、Cotoboxでは区分を間違えても問題ありません。提携の専門家がチェックして出願してくれます。