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中国の商標登録における現状と対策

 インターネットの通信販売サイトを通じて国境を超えて行われる電子商取引(越境EC)が年々増加する中、対中国との取引も例外ではありません。特に、コロナ禍では、越境EC市場はこれからも成長がみこまれるでしょう。

 そんな中、越境ECで自社ブランドを海外にて展開する際に、商標を事前に申請しなかったことを後悔したという人が「約6割」を超えている、という結果が発表されています。

「メリットが分からなかった」「他の業務を優先していた」〜cotobox、「海外展開と商標登録の重要性」に関するレポートを発表〜

また、中国の消費者が越境ECの事業者に改善を望むこととして「真正商品であることの保証」が一番に上がっている、との結果もあります。真正商品であることを示すことの一つに商標がありますが、商標の未申請によりトラブルに合うケースも少なくありません。真正商品であるはずの自社商品の商標変更を余儀なくされたり、最悪の場合、撤退を余儀なくされたりするケースもあります。

2019年には、中国で「電子商取引法」が施行され、大型ECモールサイトを展開する事業者に対して厳しい義務が課されることになりました。知的財産権を侵害していたり、模倣品を販売している出展者を放置した場合、制裁金が課せられます。そのため、プラットフォーマーは、商標権者から申し立てがあった場合、出品商品の削除を行うことになります。もしも、現地で商標をすでに他人に取られていた場合、真正商品であるはずの自身の商品が削除されてしまうという事態が起こってもおかしくはないのです。

1.中国の商標登録における課題

 2019年のデータで、日本の出願件数が19.1万件であるところ、中国での商標出願数は、783.7万件(注)と、日本に比較して圧倒的な出願数となっています。

特許行政年次報告書2020年版 (P31~32)

注)中国の出願数は日本と異なり、区分数での算出となるため、正確な比較はできないが、それを踏まえても圧倒的な出願数といえる。

 これだけの出願件数があると、自身の商標と類似する商標がすでに他人に取られてしまっている場合が少なくありません。多数の出願の中には、正当な権利を有しない他人によって商標が出願・登録される事例(冒認商標)も見られます。この点に関しては、日本の特許庁も警告をだしています。

~インターネットによる情報収集が活発な現代では、外国で自身の商標が他人によって先取りされ、その結果、海外進出の妨げとなるリスクもあります。~

海外における商標の抜け駆け出願(冒認商標)対策

また、中国では商標の売買が日本よりも一般的に行われており、商標売買の取引サイトもあります。このため、売買ビジネスのために、多くの商標出願が行われていることも推測できます。

 それなら、商標売買の取引サイトで購入すればいいのではないかと考える場合もあるかもしれませんが、そのような行為は、冒認商標の出願を助長するだけとなります。例え、最終手段として購入をするとなった場合においても、外国企業名義で打診・交渉すると、価格が釣り上げられるといった交渉に不利な影響が生じる可能性があるため、交渉の身分や打診方法は事前に現地の専門家とよく相談すべきでしょう。

2.日本の商標法との違い

  商標権は早い者勝ちであり、登録した国でのみ効力が発生するものです。日本で商標登録していても、中国では効力はありません。また、日本で有名な商標だからといって、中国での他人の商標登録を防ぐことはできません。まずは誰よりも先に出すことが、最大の防御といえるでしょう。

また、中国での商標調査等、なんら対策をせずに商標を使用して商品を販売し、すでにその商標が他人に登録されていた場合、商標権を侵害するとして警告を受け、大きな被害が出る可能性があります。事前調査をして他人の権利に抵触しないかを確認することも重要と言えるでしょう。

もしも他人に取られていた場合、非常に憤りを覚える事態ではありますが、商品販売前であれば、商標変更などリスク回避のための対応策を自身で選択することができます。

 さらに、申請する商標についても注意が必要です。日本語のひらがな・カタカナは、中国では図形商標として扱われます。その読みや意味に関しては、現地では商標権の効力が及ばないことになるのです。日本語に準じた意味合いや読みを生じさせたい場合は、それらを漢字に訳して出願することを検討する必要があります。なお、すでに日本語が現地でも浸透している場合は、図形商標としてひらがな・カタカナも取得することも検討するとよいでしょう。

 また、漢字にはすべて何らかの「意味合い」がありますから、訳した漢字の組み合わせ・発音が、全体として現地でよいイメージを感じさせる言葉であるかを確かめることも重要です。漢字の選択ミスにより、商品と全く合わないイメージを感じさせてしまい、商品が売れなくなるケースもあります。

3.中国における冒認商標への対策

 中国において、他人に商標を取られてしまった場合、有効な対策は正直多くないものの、以下のような対抗手段ができないか、専門家と相談してみることがよいでしょう。

 手段の一つとしては、不使用による取り消しを行うことです。3年以上、使用されている形跡がないと思われる場合、例えば、インターネット検索でも使用されている状況が確認できない場合はチャレンジしてみるのもよいでしょう。取消の決定がなされるまでには時間がかかるため、取得を希望する商標も同時に出願しておくことが大切です。

 そのほかの手段としては、異議申立又は無効宣告請求を起こすことが考えられます。請求の理由としては、主に下記3点が考えられるでしょう。

1)使用を目的としない悪意による商標出願

 上述の商標売買の取引サイトに多数出品しているのに、使用実績が見当たらないようなケースがある場合、転売目的で悪意と捉えられるケースがあります。相手の悪意を証明できないか、様々な角度から検討するためにも、コミュニケーションを取りやすい現地代理人とやり取りを行うことがよいでしょう。

2)他人によって、先に使用された一定の影響力を有する商標を不正な手段により、先行登録したこと

 中国国内での使用実績や認知度を基に判断されます。日本とは異なり、外国で有名であることは採用されません。例え、日本で有名でも、中国での実績・認知度がないと、この理由を使うことができないと考えておいた方がよいでしょう。

3)その他の先行権利を侵害したこと

 著作権に基づく主張が考えられます。冒認出願の前に著作権が発生していた可能性がある場合は検討する余地があります。中国では、知的財産権関連の民事訴訟の内、著作権にかかる訴訟が最も多い状況もあり、著作権の活用が行われている実情があります。著作権登録を行うことも視野に入れてもよいでしょう。

 また、中国でのビジネスの際に、代理店を通じて商品を提供する場合もあると思われます。しかし、代理関係にある者による冒認出願も残念ながら無いとはいえないため、代理店との契約には、商標を勝手に申請しない旨の条項を必ず入れるようにしましょう。この条項違反を理由に、無効宣告請求を起こすことができる場合があります。

  もしも、冒認出願を発見した場合は、特許庁が発表している支援を活用することも検討しましょう。

中国・台湾で日本の地名や、自身の商標が他者により出願登録された場合の総合的支援策について

 上記のように、冒認登録されたものへの対抗手段はあるものの、実際に冒認が認められるハードルは高く費用もかかる上、時間がかかるものが多いのが現状です。

 例えば、「クレヨンしんちゃん」に関連する商標を中国企業により勝手に登録されていた事件においては、勝訴まで約7年以上もの時間がかかっています。

 また、良品計画では中国企業と20年近くにわたって係争を続ける事態となっています。

中国における『クレヨンしんちゃん』訴訟の勝訴判決について

「無印良品」商標に関する一部報道について

4.最後に

 インターネットによる情報収集が活発な現代では、日本ブランドのイメージに便乗する他人によって中国で先取りされ、海外展開の妨げとなるリスクがあります。

 商標は早い者勝ちであるため、一度登録されてしまうと、その後取り消すことは非常に難しくなります。

 中国への進出予定がある場合には、商品を販売する前に、何よりも先に商標登録しておくことが大切です。

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