あなたがビジネスを展開しているのであれば、1度は商標登録を気にしたことがあるかもしれません。しかし、「ビジネスのネーミングを商標登録できるか否か」は、どうやって調べればいいのでしょうか?
もし、あなたが検討しているネーミングをGoogleなどの検索エンジンで調べれば、同じネーミングが世の中で既に使用されているかをチェックできます。しかし、Googleの検索結果だけでは、商標登録できるか否かはわかりません。Google以外の検索手段が必要になります。
今回は、以下のような要望がある人向けに検索サービスやサイトをご紹介します。
- 自分が考えたネーミングについて、商標登録できるかを簡易検索したい
- 知財担当者として、商標調査できるツールを利用したい
- 知財業界の検索サービスを網羅的に確認したい
この記事では、初心者から実務担当者まで、商標検索に役立つサイトを網羅的にご紹介します(順不同)。
◇目次
1. はじめて商標検索をする際の注意点
商標検索は、登録したいネーミングだけではなく、そのネーミングを使用する商品やサービスのカテゴリを選択しなければなりません。このカテゴリ(区分や類似群コード)は特許庁によって定められているので、事前に把握しておくと、適切な検索ができます。詳しくは区分の記事をご確認ください。
<すでに登録されている商標の一例>
ウォークマンなら、特許庁によるカテゴリ「電気通信機械器具」を選択している
マクドナルドなら、特許庁によるカテゴリ「飲食物の提供」を選択している
Twitterなら、特許庁によるカテゴリ「チャットルーム形式の電子掲示板通信」を選択している
※例に挙げた登録商標は一例です。さらに多くのカテゴリを選択している場合があります。
2. 無料の商標検索サービス5つ
(1) Cotobox (検索無料)
■検索~商標出願手続きまでシームレスに行えるサイト
トップページからいきなり商標検索が可能。そのままサイト上で注文、出願、外部の専門家とのやりとりなど、商標登録全般のサービスが完結するプラットフォームとなっています。商標検索だけではなく、実際に商標登録を目指す人にとって、シームレスかつ手間がかからないサービス設計となっています。
<URL> https://cotobox.com
まずは商標登録されていないか、調べるところから始めてみましょう。
(2) (検索無料)
■経産省所轄のデータベース
経済産業省所管の「独立行政法人 工業所有権情報・研修館」による産業財産権関連の工業所有権公報等を無料で検索・照会可能なデータベース。特許電子図書館(IPDL)を経て2014年にサービス開始。なお、当法人は、特許庁に設置された公報等の閲覧施設がルーツです。
<URL> https://www.j-platpat.inpit.go.jp/
(3) nomyne (検索無料、アカウント作成後)
2018年にリリースされたネーミング支援サービス。会員アカウント作成後、サービス名や会社名などの使用したい名前を入力しネーミングの妥当性を調べることができます。無料検索は30日以内に10回まで可能となっています。
<URL> https://www.nomyne.com/
(4) Toreru 商標検索(検索無料)
Toreru社が提供する簡易検索サービス。検索結果がグリッド形式で表示され、視覚的に見やすく工夫されています。また、図形商標については、画像アップロードを行うことで類似の図形商標の検索も可能です。
<URL> https://search.toreru.jp/
(5) Global Brand Database(検索無料、英語)
■国際機関による、横断的に国際商標検索が可能なシステム
<URL> http://www.wipo.int/branddb/en/
3. 有料の商標検索サービス4つ
■有料サービスは法人・事務所担当者向け
有料の検索サービスは法人の知財担当者や特許事務所などをターゲットにしているため、商標の専門知識が必要です。そして、講習会などを利用しシステムに慣れることで、より高度な検索やデータの抽出を取扱うことができます。また、ここに挙げるサービスは歴史が長く、オンラインに限らず法人向けに知財コンサルを行う会社も数多くあります。
(1) TM-SONAR(有料)
インフォソナー社は、専門家のニーズを満たす数多くの商標調査サービスを有しています。同一及び類似の商標を検索するサービス「TM-SONAR 称呼類似Std.」では、絞り込みリストを活用することで類似度の高い商標データが抽出可能です。また、ロゴの登録可能性を判断するサービスも提供しています。さらに、定期的に商標の調査・管理担当者向けに講習会を開催しています。
料金体系は各サービスにより異なり、月額制は2,000円/月~90,000円/月、従量制であれば1称呼検索あたり100円~2,000円(英語版のソリューション含む)。無料のお試しキャンペーンや、複数のシステムがまとめて使えるパッケージ版も用意されています。
<URL> http://www.info-sonar.co.jp/index.html
(2) クラリベイト・アナリティクス(有料)
クラリベイト・アナリティクス社は、世界をリードする商標調査や知的財産管理向けソリューションサービスを提供しています。世界中の商標のスクリーニング調査を目的とした「SAEGIS」、AI技術を用いた図形商標の類似検索も可能な「TMgo365」があります。料金は、企業向けソリューションのため問合せが必要です。
<URL> https://clarivate.jp/
(3) Brand Mark Search(有料)
日本パテントデータサービス社は商標調査に役立つソリューションを数多く展開しています。「Brand mark Search」では、特許情報プラットフォームJplatpatがタイムラグによって反映していない公報情報も検索可能。料金は月額5,000円。
その他、商標に限らず知的財産全般のサービスを提供しており、特許管理システム、中国専利検索サービス、インド特許検索サービスなどがあります。
<URL> http://www.jpds.co.jp/
(4) InterMark 類似商標検索システム(有料)
インターマーク社は、類似商標検索システムを提供しています。法人の担当者にとっては、スクリーニング調査を含めたネーミング調査に役立ちます。調査専門に扱う事業者にとっては、登録可能性の判断等の詳細調査に役立つシステムです。メールの問い合わせにより、1ヶ月のトライアル試用が可能です。
<URL> https://www.intermark.co.jp/intermark/
4. まとめ
■数多く存在するサービスから、自分にあったシステムを選ぼう
個人向け・法人向けに多くの検索サービスが提供されています。どのサービスを利用するかは、「商標調査のみ」「検索オプションの豊富さ」「実際に出願手続きを目指す」など、自身の目的に沿って選んでみましょう。
■一般の簡易検索は無料で十分
自身のネーミング調査においては、無料検索システムで、商標の可能性について調べることができそうです。
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Cotoboxで、商標登録したいネーミングを調べてみましょう。
画面右下の検索ボックスに、登録したいサービス名や会社名を入力してみましょう。
関連する業界を選択することで、似ている商標がないかどうかをすぐに確認することができます。