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ドメインと商標登録の関係について

ウェブサイトを制作して新しいビジネスを始めようとするときには、レンタルサーバーを借りて、ドメインとメールアドレスを取得すると思います。

そのときに、ドメインも商標登録をする必要があるのかを検討される方もいると思います。

そこで、今回は、ドメインと商標登録の関係について、弁理士渡辺貴康が解説します。

この記事により、ドメインを商標登録すべきか分かるようになります。

1.ドメインとは?

(1)ドメインの定義

ドメイン(ドメイン名、ドメインネームの略)は、「インターネットに接続するネットワークの組織名を示すことば。」(精選版 日本国語大辞典)を意味し、インターネット上のコンピュータの場所を示すアドレスの一部として使用されています。

例えば、「https://www.jpo.go.jp/」の「jp」、「go」、「jpo」、「jpo.go.jp」、「www.jpo.go.jp」のアドレスの一部分がドメインです。

(特許庁ホームページ https://www.jpo.go.jp/)

ドメインは、不正競争防止法で、次のとおり定義されています。

不正競争防止法2条10項

この法律において「ドメイン名」とは、インターネットにおいて、個々の電子計算機を識別するために割り当てられる番号、記号又は文字の組合せに対応する文字、番号、記号その他の符号又はこれらの結合をいう。

 

(2)ドメインの構成

ドメインは、以下で図示されるとおり、「トップレベル」、「第2レベル」、「第3レベル」、「第4レベル」で構成されています。

先に登録がなく、空いていれば、好きな文字で登録できるのが、第3レベルドメインです。

(一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター「ドメイン名の構成」https://www.nic.ad.jp/ja/dom/system.html)

2.ドメインの商標登録について

(1)ドメインも商標になるか?

結論からいうと、以下の商標の定義(商標法2条1項)から、ドメインも商標になり得ます。そのため、原則、ドメインも商標登録を検討すべきです。

商標法2条1項

この法律で「商標」とは、人の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの(以下「標章」という。)であつて、次に掲げるものをいう。

一 業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの

二 業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの(前号に掲げるものを除く。)

 

ただし、例外があります。

例外①:ドメインをアドレスにのみ使う場合、ドメインの商標登録を検討する必要はありません。

例外②:第3レベルドメインの文字列を商標登録済みの場合、ドメインの商標登録を検討しなくても、問題となるリスクは低いです。

 

(2)ドメインをアドレスにのみ使う場合(例外①)

例えば、「選挙ドットコム」のウェブサイトのように、ドメイン「go2senkyo.com」をURLが表示されるアドレスバーの部分にのみ使うケースです。この場合、ドメインの商標登録を検討する必要はありません。(選挙ドットコム https://go2senkyo.com)

一方で、「街の情報サイト/Marunouchi.com」のように、ドメイン「marunouchi.com」をアドレスバーの部分に表示するだけでなく、ウェブサイト内で取引上表示する場合は、ドメインも商標と認識され得るため、商標登録を検討すべきです。

なお、このサイトを運営する三菱地所㈱は、「mrunouchi.com/マルノウチ ドット コム」9類、35類、41類、43類、44類、45類で商標登録をしています(登録第5349094号)。

(街の情報サイトMarunouchi.com https://www.marunouchi.com)

また、次のバナー広告のように、ドメイン「ELLE SHOP.jp」をアドレスバー以外に、広告として表示する場合も、ドメインは商標と認識され得るため、ドメインの商標登録を検討すべきです。

(banner gallery「ELLE SHOP 2011冬のセール」 https://bannergallery.net/page/4)

(3)第3レベルドメインの文字列を商標登録済みの場合(例外②)

ドメインをアドレスバーに表示するだけでなく、ウェブサイト内で取引上表示する場合でも、第3レベルドメインの文字列を商標登録できているときは、さらにドメインを商標登録する必要性は低いです。

その理由は、第3レベルドメインの文字列を商標登録している場合、その登録商標の権利範囲は、第3レベルドメインの文字列を含むドメイン自体にも一般に及び、ドメイン自体を商標登録しなくても問題となるリスクは低いといえるからです。 

ドメインは、トップレベルから第4レベルで構成されますが、商標の視点では、このうち、第3レベルドメインが重要になります。

裁判所・特許庁の実務では、例えば、「www.shiseido.co.jp」のドメインの構成中、第3レベルドメインの「shiseido」の文字列が主要な部分(商標の識別機能を発揮する部分)と判断されるためです。

①Career-Japan(CAREER-JAPAN.CO.JP)事件 大阪地判平16.4.20(平成14年(ワ)第13569号・平成15年(ワ)第2226号、②tabitama(tabitama.net)事件 東京地判平17.3.31(平成15年(ワ)第21451号・平成15年(ワ)第27464号)、③ヨーでる(www.sunyodel.net)事件 大阪地判平18.4.18(平成15年(ワ)第11661号、④モンシュシュ(mon-chouchou.com)事件 大阪高判平25.3.7(平成23年(ネ)第2238号・平成24年(ネ)第293号)、⑤ライサポ(lispo-ikeda.jp)事件 大阪地判平26.6.26(平成25年(ワ)第12788号)等を参照

商標的には、「www.shiseido.go.jp」と「shiseido」で、大きな差はない(要部が共通し、相互に類似する)と考えるわけです。

そのため、第3レベルドメインの文字列「〇〇〇」の商標登録があれば、「www.〇〇〇.co.jp」のドメインをウェブサイト内で取引上使用しても、その「〇〇〇」の登録商標の商標権の効力(登録商標と類似する範囲)がドメインの使用にも及ぶと考えることができます。

商標権の効力が及ぶということは、第三者は、その商標を使用することも登録することもできないことを意味します。

3.ドメインをめぐる裁判例

ドメインの使用に関し、実際にトラブルとなった最近の事例を紹介します。

(1)リシュ活(risyu-katsu.jp)事件

大阪地判令和3年1月21日(平成30年(ワ)第11672号)

①事件の概要

原告(株式会社学情)が、被告(一般社団法人履修履歴活用コンソーシアム)に対し、「リシュ活」、「risyu-katsu.jp」等の被告標章の使用が、原告の商標権(本件商標権)等の侵害であると主張し、被告標章の使用差止め、広告等の廃棄、ドメイン名の抹消登録手続き、損害賠償を求めた事件です。

  本件商標権(原告の商標権)

登録商標「Re就活

(35類、41類 登録第4898960号)

被告標章

【1

リシュ活 

【2】

 

【3】

 

 

【4】

 

 

【5】

【6】

risyu-katsu.jp

【7】

twitter.com/risyukatsu

【8】

peac.jp/risyu-katsu

 

②結論:請求一部認容

裁判所は、原告の請求を一部認め、被告に対し、被告標章の使用差止め、広告等の廃棄、ドメイン名の抹消登録手続き、損害賠償44万3919円の支払いを命じました。

③理由

「リシュ活」、「risyu-katsu.jp」等の被告標章は、本件商標「Re就活」と類似し、誤認混同のおそれがあると判断されました。

2.争点2(本件商標と被告標章の類否)について

被告標章6の「.jp」は,株式会社日本レジストリサービスの管理するドメイン名であることを示すものであり(甲365),被告標章7の「twitter.com/」及び被告標章8の「peac.jp/」はドメイン名であって,「/」以下の文字列とは区別して認識されるから,いずれも「risyu-katsu」ないし「risyukatsu」より生ずる称呼をもって,各標章の称呼と認識されることになる。・・・・・・・・・

被告は,本件商標の指定役務と同一又は類似の範囲にある被告役務に,称呼において本件商標と類似する被告標章を使用しており,需要者に誤認混同を生じさせるおそれがあると認められるから,被告は本件商標権を侵害するものというべきである。

(2)マリカー事件

   知財高判令和2年1月29日判決(平成30年(ワ)第10081号、第10091号)

①事件の概要

一審原告(任天堂株式会社)は、一審被告会社(株式会社MARIモビリティ開発)らに対し、「maricar.以下省略」、「maricar.co.以下省略」、「fuji-maricar.以下省略」、「maricar.以下省略」の本件各ドメイン名の使用等が、不正競争行為等に該当すると主張し、本件各ドメイン名の使用差止め、登録抹消、損害賠償を求めた事件です。

なお、任天堂は、「マリカー」の商標を登録していなかったため、商標権侵害ではなく、不正競争防止法等に基づく請求となっています。

      ◆原告文字表示  

  「マリオカート」、「マリカー

    ◆本件各ドメイン名

    1 maricar. 以下省略 

    2 maricar.co. 以下省略

    3 fuji-maricar. 以下省略

    4 maricar. 以下省略

 

   ◆被告標章第1:

   1 マリカー

   2 MariCar

   3 MARICAR

   4 maricar

②結論:請求一部認容

裁判所は、一審原告の請求を一部認め、一審被告会社らに対し、本件各ドメイン名等の使用差止め、本件各ドメイン名2「maricar.co以下省略」の登録抹消、損害賠償5000万円の支払いを命じました。

③理由

一審の原判決を引用し、一審被告会社らは「maricar. 以下省略」の本件各ドメイン名を使用しており、一審原告の「マリオカート」、「マリカー」の原告文字表示等と類似すると判断されました。

7 争点9(本件各ドメイン名の使用行為が不競法2条1項13号の不正競争行為に該当するか)について

本件各ドメイン名のうち「.jp」,「.co.jp」及び「.com」部分は,多くのドメイン名に共通して用いられるものであるから,出所を表示する機能を有する部分は「maricar」又は「fuji-maricar」であり,同部分が本件各ドメイン名の要部と認められる。このうち本件ドメイン名1,2,4の「maricar」部分は,前記4(3)で述べたとおり,一審原告の特定商品等表示である「MARIO KART」表示と類似するものである。本件ドメイン名3「fuji-maricar」についても,前記第2の2(4)エのとおり,「fuji」と「maricar」が「-」で結合されていて,「fuji」と「maricar」の間に観念上の関連性がないことからすると,「maricar」部分を要部として抽出することができるから,前記アと同様,本件ドメイン名3「fuji-maricar」も,原告文字表示マリカー及び「MARIO KART」表示と類似するものといえる。また,本件ドメイン名1,2,4の「maricar」からは一審原告の特定商品等表示である原告文字表示マリカーと同じ「まりかー」との称呼が生じる。また,「maricar」からは,前記4(3)のとおり,「マリオの車」という観念が生じるところ,同観念は,原告文字表示マリカーから生じる観念と同一であるから,本件ドメイン名1,2,4の「maricar」は,原告文字表示マリカーとも類似する。・・・・・・以上のとおり,一審被告会社は,不正の利益を得る目的をもって,一審原告の特定商品等表示である原告文字表示及び「MARIO KART」表示と類似する本件各ドメイン名を使用したと認められるから,同行為は不競法2条1項13号所定の不正競争行為に該当し,一審原告の営業上の利益を害するものであるということができる。

(3)2ちゃんねる(2ch.net)事件

     東京地判令和元年12月24日(平成29年(ワ)第3428号)

①事件の概要

原告(個人A)が、被告(レースクイーン(RQI)インク)に対し、「2ちゃんねる」、「2ch.net」の被告標章の使用が、原告商標の商標権等の侵害であると主張し、被告標章の使用の差止め、ドメイン名の使用差止め、損害賠償を求めた事件です。

 

  原告商標1

2ちゃんねる (38類、42類 登録第5851025号)

  原告商標2

2ch (38類、42類 登録第5843569号)

 

被告標章12ちゃんねる

被告標章22ch.net

 

②結論:請求一部認容

裁判所は、原告の請求を一部認め、被告に対し、被告標章の使用差止めを命じました。 

③理由

原告商標1は被告標章1と同一の商標であり、原告商標2は被告標章2と類似の商標であると判断されました。

3 争点1-1(原告商標1と被告標章1,原告商標2と被告標章2との類否)について

原告商標1は標準文字の「2ちゃんねる」であり,被告標章1は「2ちゃんねる」という標章であって,外観,称呼及び観念において同一であるから,両者は同一の商標である。・・・

原告商標2は標準文字の「2ch」である。被告標章2は「2ch.net」という標章であって,このうち「.net」は,インターネットのドメイン名の一部として,ドメイン名の最後に登録者の組織属性を意味する一般的な表示として広く用いられるものであって,識別力が弱い部分といえる。そうすると,被告標章2において強い識別力を有する部分は「2ch」の部分である。上記を考慮すると,原告商標2と被告標章2は,外観,称呼及び観念において類似し,類似の商標である。なお、被告標章2は、前提事実2(3)のように本件電子掲示板のトップページ等に表示され,商標として使用されていた。

4.まとめ

紹介した裁判例にみられるように、ドメインの使用をめぐり、商標権侵害等のトラブルに巻き込まれることもあります。

ドメインの登録をすれば、商標登録は全く検討しなくて安心とは考えないようにしてください。

今回は、ドメインと商標登録の関係について、弁理士渡辺貴康が解説しました。

ドメインを登録するときには、以下のポイントを意識してみてください。

 

 ・ドメインも商標登録を検討すべきこと

 ・ドメインをアドレスバー以外に使う場面があるか

 ・第3レベルドメインの文字列を商標登録済みか

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