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模倣品・海賊版被害に遭った場合の相談窓口

1.はじめに

 模倣品や海賊版の製造や販売を発見した場合、製造者や販売者に対して製造や販売の差止めを求める必要があります。その際には、知的財産案件や模倣品・海賊版対策に精通した専門家に相談しながら対応することが望ましいですが、そのような専門家へのアクセスができないことも多いかと思います。そこで、この記事では、模倣品・海賊版問題に関する無料の相談窓口を紹介します。まずは、これらの窓口をご利用いただき対策の検討をしていただければと思います。

2.模倣品・海賊版被害に遭った場合の相談窓口

 

(1)政府模倣品・海賊版対策総合窓口

 まず、政府が設置している窓口として、政府模倣品・海賊版対策総合窓口があります。模倣品・海賊版問題は、複数の法令にまたがる問題であることが多く、また、海外で被害が発生している場合もあるため、どの窓口に相談すれば良いか分かりにくいという問題がかつてありました。このような問題を解決するため、模倣品・海賊版問題の相談の一元的な窓口として、2004年に、政府模倣品・海賊版対策総合窓口が設置されました。この窓口では、電話やメール等の方法で、模倣品・海賊版についての相談が可能です。また、相談だけでなく、ECサイトなどで模倣品が販売されていることを発見した場合などに、この窓口に情報提供することもできます。

 詳細は、こちらをご覧ください。

(2)知財総合支援窓口

 次に、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)の知財総合支援窓口について紹介します。知財総合支援窓口では、中小企業等が抱える経営課題や、知財に関する相談を受け付けています。全国47都道府県に窓口があり、相談は無料です。また、弁理士が週1回以上、弁護士が月1回以上在籍しているため、法律の専門家から専門的なアドバイスを受けることが可能です。弁理士・弁護士以外にも、海外知財専門家や中小企業診断士など、各分野の専門家と窓口の担当者が協働してアドバイスを行っていることも特徴です。

 詳細は、こちらをご覧ください。

(3)模倣品・海賊版被害相談窓口(日本貿易振興機構)

 次に、日本貿易振興機構(ジェトロ)の模倣品・海賊版被害相談窓口を紹介します。この窓口は、海外における模倣品・海賊版被害についての相談窓口です。海外の模倣品・海賊版の対策を立てたい、実際に侵害事案がすでに発生して困っているような場合などに相談が可能です。相談は、電話やE-mailで可能です。なお、ジェトロでは、中小企業向けに、侵害対策の支援事業(海外での知的財産権の侵害調査等にかかる費用の2/3を助成するもの)や、外国出願費用の助成(外国出願にかかる費用の半額を助成するもの)なども提供していますので、要件を満たす場合にはぜひご活用ください。

 詳細はこちらをご覧ください。

(4)国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)

 相談窓口ではありませんが、国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)という組織があります。IIPPFは、ジェトロが事務局をやっており、模倣品・海賊版などの海外における知財問題の解決を目指す企業・団体の集まりです。中国プロジェクト、アジア大洋州プロジェクト、中東アフリカプロジェクト、インターネットプロジェクトなどがあり、各プロジェクトでそれぞれの活動を行っております。模倣品対策においては、各企業の抱えている問題が共通していることが多いため、このような会合に参加して情報交換をすることが重要です。IIPPFに登録できるのは、知的財産権を保有する権利者企業・団体に限られており、登録を希望するには、事務局宛てに登録用紙を送付する必要があります。

 詳細はこちらをご覧ください。

 なお、各業種ごとの業界団体にも、知的財産委員会や模倣品対策委員会がある場合がありますので、そのような団体への参加も有益です。

(5)ジェトロ 海外知的財産部

 ジェトロの海外事務所には知的財産部が設置されている事務所があります。例えば、中国(北京・上海・広州・香港)・タイ(バンコク)・シンガポール・UAE(ドバイ)・ブラジル(サンパウロ)などです。これらの国・地域や周辺国で知的財産に関する被害が発生し、相談をしたい場合には、これらの事務所に相談をしていただくことも有益です。

(6)在外公館(大使館・総領事館等)

 海外で模倣品・海賊版被害が発生した際の相談先として、在外公館も候補としてあげられます。世界の約200カ所にあるほぼすべての在外公館に、海外での模倣品・海賊版の被害相談窓口として知的財産担当官が任命されています。この知的財産担当官に相談することも可能です。

  詳細はこちらをご覧ください。

3.その他法令等に関する相談窓口

 

(1)日本弁理士会無料相談(知的財産全般に関する相談窓口)

 弁理士会が無料の知的財産相談室を設置しています。商標の出願手続や紛争事案から、諸外国の制度や知的財産制度全般について無料で相談が可能です。

 詳細はこちらをご覧ください。

(2)INPIT 相談部

 INPITでは、特許権・実用新案権・意匠権及び商標権の産業財産権に関する手続の一般的な相談を受け付けています。例えば、権利を取得しようと考えているがどのような権利が取得可能か悩んでいる方、アイデアがあるが権利化の方法がわからない方などはぜひご活用ください。

 詳細はこちらをご覧ください。

(3)公益社団法人著作権情報センター(CRIC) (著作権に関する相談)

 CRICが、「著作権テレホンガイド」という相談窓口を設けており、電話により、著作権制度に関する質問や著作物の利用に関する相談を受け付けています。なお、紛争になっている案件や、具体的事案についての相談はできません。

 詳細はこちらをご覧ください。

(4)経済産業省 知的財産政策室 (不正競争防止法)

 不正競争防止法は、経済産業省知的財産政策室が所管しています。不正競争防止法制度についての質問がある場合には、知的財産政策室に問い合わせることが可能です。なお、知的財産政策室のウェブサイトでは、不正競争防止法のテキストなど、有用な資料がダウンロード可能ですので、ぜひご活用ください。

 詳細はこちらをご覧ください。

4.まとめ

 

 以上のとおり、模倣品・海賊版被害や知的財産全般の相談については、多くの相談窓口が用意されています。早期の段階で、それぞれの状況にあった窓口にご相談いただくことをお勧めいたします。

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    執筆者
    cotobox編集部
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