せっかく商標登録をしようとしても、どの区分を選択すればよいかわからないことはありませんか?
Cotoboxでは商標登録についてブランドなど区分、分類に関する多くの問い合わせがあります。
区分を調べることは決して容易いものではありません。
この記事では、「アパレル・ブランド商品の区分はどれにすればいいんだろう? 」という疑問に対し、検討材料となる事例紹介をします。
◇目次
1.こんな方におすすめ
- アパレル企業で、ブランドを持っている人
- アパレル店やブランド名を商標登録したい人
- 靴メーカーで、自社名やブランド名を登録したい人
- 自社ブランドは無いが、セレクトショップを運営している人
- 個人でブランドを持っていて、メルカリやラクマなどのネットショップで売っている人
■「区分」とは
区分とは、「商標をどの分野で使用するか?」というカテゴリのことで、全部で45種類あります。
詳細は以下の記事も参考にしてください。
2.おすすめ区分
アパレルブランドの場合、選択の候補として考えられるのは以下になります。
- 25類:衣服全般のブランド(ほか、商品によって区分が異なります)
- 35類:小売(仕入れ販売などセレクトショップの店名などの場合)
区分の選択は基本的に
「服のブランドを持っている=25類」
「セレクトショップ(他ブランドを仕入れて売る)=35類」
を選択します。
しかし、ブランドの中でもアクセサリーやカバンなどの商品は別の区分に該当します。
この場合、3・9・14・18・26などが候補となり、多岐に渡ります。
3.商品別 詳しい区分の一覧表
ここからは、自社独自ブランドをお持ちの方限定で詳しく解説します。
衣服のブランドは基本的に25類と考えて問題ありません。
ただし、カバンやメガネなど商品によっては区分が異なります。
以下は、区分ごとにどのような商品が該当するかをまとめています。
ぜひご参考にしてみてください。
(1)衣服全般:区分 第25類
- トップス(アウター、インナー、スーツ、コート、キャミソール等)
- ボトムス(ズボン、スカート等)
- 下着全般(ブラ、ショーツ、トランクス等)
- 着物類
- 帽子類(キャップ、バンダナ等)
- マフラー類(スカーフ、スヌード等)
- 靴類(ソックス含む)
- ネクタイ
- ベルト、ガーターベルト
- ストッキング
これらの独自ブランドは[区分 第25類]をご選択ください。
例)アルマーニ、EDWIN、ナイキ、ピーチジョンなど
(2)香水など:区分 第3類
- 香水
- つけ爪(ネイルチップ等)
これらの独自ブランドは[区分 第3類]をご選択ください。
例)Dior、ブルガリ、ANNA SUIなど多数
(3)メガネ等:区分 第9類
- サングラス(ケース含む)
- メガネ(ケース含む)
- コンタクト
- カラコン
これらの独自ブランドは[区分 第9類]をご選択ください。
例)Ray-Ban、JINSなど多数
(4)貴金属や時計:区分 第14類
- ピアス、イヤリング(貴金属・宝石のもの)
- ネックレス、チョーカー、アンクレット(貴金属・宝石のもの)
- キーホルダー(貴金属・宝石のもの)
- 指輪、リング(貴金属・宝石のもの)
- ブレスレット(貴金属・宝石のもの)
- 腕時計
- ブローチ(貴金属・宝石のもの)
これらの独自ブランドは[区分 第14類]をご選択ください。
例)4℃、G-SHOCKなど多数
(5)かばんやケース等:区分 第18類
- かばん
- リュック
- 手提げバッグ
- 化粧ポーチ
- キーケース
- 名刺入れ
これらの独自ブランドは[区分 第18類]をご選択ください。
例)PORTER、グッチ、シャネルなど多数
(6)貴金属以外の装飾品:区分 第26類
- ヘアバンド
- カチューシャ
- 帯留め
- シュシュ
- ウィッグ、エクステ
- ブローチ(貴金属・宝石をのぞく)
これらの独自ブランドは[区分 第26類]をご選択ください。
区分を選んで、すでに商標登録されていないか、検索をしてみましょう。
4.事例
それでは、あなたと業態が似ている以下の企業の事例を見てみましょう。
[EDIFICE]と[THE NORTH FACE]を商標登録の事例としてご紹介します。
EDIFICE
まずは、株式会社ベイクルーズが展開するEDIFICEの登録商標を見てみます。
複数の商標が登録されていますが、最初の商標登録は以下のとおりとなっています。
これを見ていただいた通り、1997年に25類の1区分で登録がなされています。
その後、18類、3類、9類、20類、34類などでも登録されています。
また、以下のとおり、書体が異なるEDIFICEの商標も登録されています。
この商標は、14類、18類、25類、35類で登録されています。
必要となる区分を全てまとめて登録するという方法もありますが、このように、優先順位の高い区分から登録し、必要に応じて区分を増やしていくという方法もあります。
なお、EDIFICEという商標を検索すると、カシオ計算機のEDIFICEという商標も登録されていることが分かります。
カシオ計算機のEDIFICEという商標は、14類で登録がなされています(9類についても出願がなされており、現在審査中)。
14類は貴金属、身飾品、腕時計などの区分です。
この商標は、ベイクルーズの「EDIFICE」と読み方が一致していますが、すでに登録されているベイクルーズの「EDIFICE」の商品やサービスの内容と類似していないため登録ができたと考えられます。
このように、すでにある商標と同一の名称であっても、商品やサービスが類似していない場合、登録が可能です。
THE NORTH FACE
次に、株式会社ゴールドウィンが展開するTHE NORTH FACEを解説します。
THE NORTH FACEは、以下のように、文字だけの商標と、文字も含めたロゴの商標などが登録されています。
文字だけの商標は、20類、22類、24類、25類で登録がされています。
ロゴの商標は、文字商標と同様の区分の他、アウトドア関連の区分など多くの区分で登録されています。
5.まとめ
(1)アパレルショップやブランド商品の場合の区分候補
- 25類: 衣服全般のブランド(ほか、商品によって区分が異なります)
- 35類: 小売(仕入れ販売などセレクトショップの店名などの場合)
- ただし、扱う商品によっては、3・9・14・18・26などの選択も必要になる可能性がある
(2)注意事項
- 自社に該当しない区分など、選択しなくても良いケースがある
- 専門的的な情報の発信など、ほかの区分を選択する場合がある
- 予算上難しい場合は、まず優先的に1つ選択することがおすすめ
なお、Cotoboxではオンラインで出願書類を作成でき、そのまま提携弁理士がチェックして出願してくれます。
ぜひ、以下から商標検索を試してみてください。